みなさん、こんにちは。
第7弾は「AIを、ちゃんと経営に使う」という話です。
契約トラブルのかなりの部分は、“相手のことをよく知らないまま”始めてしまうことから起きます。
そこでおすすめしたいのが、与信・実在確認のプロセスにAIを組み込むこと。
これは大企業だけの話ではなく、むしろ中小企業の武器になります。
■ AIでまずできること(スクリーニングの自動化)
・会社名・所在地・代表者名を入れて、公開情報を整理
・事業内容や沿革、関連会社、報道・行政処分歴の有無をざっと把握
・所在地がレンタルオフィス等かどうかの確認材料を集める
→“まず全体像”を最短でつかめるので、会う前から相手の輪郭がわかります。
■ 過去の評判・トラブル傾向を拾う
・未払いトラブル、クレーム多発、求人の異常な回転(=離職が多い)など
・外注先・仕入先との揉め事、訴訟・差押えに関する公開情報
・SNSやレビュー等での「支払が遅い」「連絡がつかない」の声
→人づてに聞こうとすると嫌がられる話も、AI経由なら静かに下調べがすぐにできます。
■ ただし、AIの結果を“鵜呑みに”しない
・AIは最終的な信用保証人にはなりません
・古い情報、別会社の情報が混ざることもあります
・「疑いがある」というだけで相手を決めつける発言はリスクになります
→AIはあくまで“アラーム”です。
最終判断は、しっかり自身で確認することが必要です。
まとめると、AIは
- 相手の素性を整理し
- リスクの種類と大きさを見える化し
- 交渉条件を準備する
ところまで、速やかに整理をしてくれます。
「AIはうちにはまだ早い」と感じている会社ほど、最初に入れるべきは実はここ(与信)です。
最初に相手をちゃんと見ることが、いちばん安いリスク管理になります。
(田鍋/編集 中路)