法務マネジメントの重要性
法務と聞いて、皆さんはどう思われますか?
コンプラで面倒、リスクばかり言われる、事業が進まない、ブレーキ、という印象でしょうか?
実際にはそのような回答は結構あるだろうと思います。
法務はブレーキでもあり、アクセルでもある
確かに法務には、事業のブレーキ役があります。
事業から考えられる法的リスクを分析し、事業者が守るべき業法等を調査指摘し、法令順守へと導くものです。
他方で、法務に取り組むことで、事業を円滑に進められる側面もあります。
最近では、国等の補助金・助成金等を活用する場合が多いですが、法務に適切に取り組むことで受給に資する場合があります。
また、契約トラブルや雇用トラブルがいったん起きると、予定していた売り上げが入らず、新規事業の原資に影響したり、トラブル解決に時間が割かれてしまいます。
ですが、日々、契約書・雇用組織管理を適切に行うことで、そのような事態を回避でき、さらには優秀な人材の確保等にもつながります。
企業の成長にとって【人】は重要ですが、トラブルある会社に入社したいでしょうか?
法務マネジメントに取り組むことは、企業の厚みを増し、企業の発展に欠かせないものと思います。
まだ取り組めていないとしたら、今日から取り組むことをお勧めします。
法務をビジネスに活かす
法務と聞くと、
- リーガルチェックの手間がかかる。
- 事業がなかなか進まない。
- コンプライアンスばかり言われても、全部やりきれない
- 言われることは正論だけど…
などの声が聞こえることがあります。
では、法務とは、ビジネスにとって、負担であり、特に生かせることはないでしょうか?
弁護士の立場らからは、そうではありません。例えば、誰かと一緒にビジネスをするとき、
- 外部委託にするのか?
- 共同事業にするのか?
- 代理店にするのか?
- フランチャイズにするのか?
どのような取引関係や法律構成にするのか、自社の事業の在り方から考えることが出来ます。
また、最近では、自社のビジネスアイデアなどを知財として、戦略的に生かしていくことも考えられると思います。
会社の営業秘密とは
先日、大手飲食チェーン企業幹部の不正競争防止法違反で逮捕というニュースが流れました。
多くの人が利用しているお店で、私も驚きましたが、ここでは、営業秘密について考えたいと思います。
企業はさまざまな情報を取得、管理、利用するわけですが、保護する必要性は、情報の種類、内容や企業ごとに変わってきます。
このとき大事なポイントは、
- 秘密に値する有用性があるか
- 秘密として管理されているか
- 非公知であるか
です。
では、あなたの会社では、上記3つの観点から見返した時、営業秘密としてきちんと管理されているものでしょうか?
結構、秘密とは述べながらも、管理がきちんとできていないケースもよくあります。
管理の負担もありますが、大事な情報であるのであれば、適切な管理のための取り組みを始められることが大切だろうと思います。
(田鍋 編集/中路)