トラブルへの対処
誰しもトラブルに巻き込まれるのは避けたいですが、ときには巻き込まれてしまうことがあります。では、トラブルに巻き込まれたときは、どう対処することが望ましいでしょうか?
対処の3つのポイント
弁護士の立場からは、
- なるべく早期に専門家に相談する。
- トラブルの資料など証拠を保存する。
- 経緯を時系列で整理する。
が挙げられます。
トラブルの渦中では、焦ったり、冷静な判断がつかない場合が多くあります。そのため、第三者の専門家の意見を聞くことが必要です。
次に、トラブルを解決するにも、どのような経緯や背景があったのかがわからないと、相手方の求めるものや理由がわからないため、経緯の整理が必要です。
最後に、トラブル等の客観的資料の確認保全が必要です。口頭だけだと、記憶違いなども含め、正確な事実の確認ができなくなってしまいます。
最近は、メール・LINE・ブログ等のSNSのやり取りがありますが、口頭の大事なやりとりは、その日のうちに記録されることを勧めします。
トラブルへの心の保ち方
生きていく上で、ストレスやいら立ちは避けられないと思いますが、ときに、こうした感情により、思いもよらないトラブルを招くこともあります。
例えば、混み合う電車内の中で、座っていたところ、隣の人の肩や足、あるいはカバンが自分にぶつかってきて、押し合いから、口論となり、さらには手や足を出して、暴行・傷害などとなってしまうという事態もあります。
冷静に振り返れば、その場から離れる、などの対応も考えられますが、イライラしていたりすると、余計な張り合いや、自分が先に座っていたのに、後から来た奴がどうして、などと思ってしまうという事もあります。
人間だれしも冷静に居続けることは容易ではないかもしれませんが、常日頃、自分の感情や体調、思考をきちんと整える習慣ができていれば、こうしたトラブルなどは回避しやすくなるのではないかと思います。
あなたなりのストレス解消法を用意できたり、他人の行動等への自分の反応の在り方など、一歩間をおいて行動できたりすると、良いのかと思います。
労働者とのトラブル予防
企業は、労働者を雇用し、指揮命令し、その対価として、給与・手当等を支払います。
労働者が働く中で、
- 規律違反(遅刻、欠勤等)
- 指示命令違反
- 能力不足
- 協調性欠如
等の事態が生じた場合、企業は、適切な労務管理をすることが必要です。
「適切な労務管理」とは、
- 日頃から労働者の行動記録を付けること
- 記録の結果を適切に評価すること
- 評価した結果をフィードバックすること
- フィードバックにより労働者の改善があれば認め、認められない場合、相当な指導注意、あるいは段階的な懲戒措置の検討実施となります。
これをしないまま、いきなり解雇や雇止めなどをすると、大きなトラブルとなり、労使双方に大きな影響が生じます。
事業活動が円滑に進むためにも、日頃から、労務管理を適切に取り組むことが重要です。
自分は騙されない?
最近、企業同士の取引において、相手方企業に騙された、という相談が増えています。
- 無料で1か月間だけの広告契約と聞いていたのに、自動更新され、更新後の代金を請求された。
- 複数年契約を前提に話をしていたのに、1年で契約を解消された、初期投資が無駄になった。
こうしたトラブルの原因として、
- 口頭だけの取引
- 相手と直接会ったことがない
- 相手の事業所に行ったことがない
- 契約書があっても、内容が、適切に定められていない
- 相手企業のHPのチェックなど、
基本調査ができていない等が挙げられます。
もしこうした形で、契約をしている場合には、一度専門家に相談されることをお勧めします。
(田鍋/編集 中路)