フリーランスと諸問題

フリーランスの相談急増

先日、「フリーランス・トラブル110番」のニュースが報道されました。

https://www.asahi.com/articles/ASR28670YR28UTIL02T.html

報道によれば、フリーランスの方の相談件数は増えていて、「偽装フリーランス」という課題も浮かんでいるとのことです。

相談内容としては、報酬の遅延、未払い、減額、契約内容などが多くあり、業種別としては、配送関係、システム開発、デザイン関係、建設、美容関係、ライターなど多岐にわたるとのことです。

私もフリーランスの方からの相談を受けていますが、契約書がなかったり、あっても内容が不十分であったり、一件当たりの報酬額が高くないことから、報酬の未回収で悩んでいるという相談が多くあります。

フリーランスの方は、労働者と比べ、法律上の保護規定は十分でないため、特に新規取引などされるときは、専門家に相談し、トラブルに巻き込まれないようされることが良いと思います。

特定受託者との取引の適正化

令和5年5月、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律が成立しました。いわゆるフリーランス法です。

働き方の多様化により、個人事業主として働く人も多くいますが、個人事業主には、労働基準法をはじめとする労働法などの適用がなかったり、取引の適正化の支援が遅れています。

公正取引委員会では、令和5年8月2日、特定受託事業者の取引実態の調査のため、検討会を開催したと公表しました。

https://www.jftc.go.jp/…/2023/aug/230802_fl_kentokai.html

企業においては、アウトソーシングの一環として、個人事業主に委託取引などするケースが多くありますが、発注元としても、フリーランスの方との取引の適正化への対応が求められます。

そして、ここで大切な事は、個人事業主の事業・業態は様々であることから、どのような行為が違法不当な取引となるのか、をきちんとすることになります

違法不当な取引と言われないよう、フリーランス法を知ることは重要です。

インボイス制度とこれに絡む相談の増加

令和5年10月からインボイス制度が始まりましたが、皆さんの周りではいかがでしょうか。

開始前はそうなかったのですが、いざ開始してみると、インボイス制度に係る相談が増えています。

さて、令和5年10月4日付事務総長定例会見記録によれば、公取委でもインボイス制度に関する注意事例が増えている事。

https://www.jftc.go.jp/…/teirei/2023/oct_dec/231004.html

例えば、経過措置により一定の範囲で仕入税額控除が認められているが、免税事業者に対し、制度実施後も免税事業者を選択する場合に、取引価格から消費税相当額を引き下げると文書で伝えるなど一方的に通知した事案などと説明がされています。私にも同様の相談など実際に生じています。

インボイス制度については、始まったばかりなため、制度内容をまだ知らない方もいるかもしれませんが、公取委ではQ&Aも出していますので、そちらもご確認ください。

優越的地位の濫用行為などに当たらないよう、公正取引を行うことが求められています。

(田鍋/編集 中路)

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