法務マネジメントの重要性II
法務相談に来られる企業のタイプ
日頃、企業から法務相談を受ける際に、相談タイプがあります。
- 既に法的紛争に巻き込まれているケース
- 業法など法規制が厳しい業界にいるケース
- 経営者の法務意識が高いケース
①は、代金未払いや損害賠償請求、労務トラブルがすでに起きている。
②は、宅建業、建設業、ヘルスケア・金融業などの企業からの相談があります。
③は、業種に関係なく、経営者の法務意識が高く、予防的に相談されるケースがあります。
皆さんの会社では、どのようなタイプに当てはまるでしょうか。
①の状態が起きている場合や②の業界であれば、法務対応は要必要ですが、理想は、③の状態に、さらには、経営者だけではなく、社員一人一人の法務意識を上げていける状態ではないかと思います。
法務意識の向上には、日頃から、経営者が、法務を知り、理解し、伝え、啓発を図ることが大切です。
経営者がリーガルマインドを持てるか?
法務マネジメントを聞いたことはありますか?これは経営において、法務的な視点・観点をいれながら、事業を進める、というものです。
これには、経営者のリーガルマインドが大切ですが、リーガルマインドとは、法的知識の有無をいうものではありません。
事業経営を進める中で、このまま進めた場合、法的な問題がないか、法的規制にかからないか、契約相手方との契約に反しないか、などの観点・視点を持てるかという点が大切です。
最近のニュース報道でも、大手建設業者が、数ミリの施工のずれがあったところ、これを施主に報告していなかったことが発覚し、建物工事のやり直し、これにより担当役員が辞任という報道が流れました。
法務マネジメントの大切さが浸透していれば、数ミリの施工のずれなどが社内で正しく共有され、その影響の有無・程度について客観的に分析され、これを施主に報告し、協議するという流れなどが考えられると思います。
事業の成長には法務マネジメントは欠くことのできない要素となります。
(田鍋/編集 中路)